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令和3年度 第1回家庭教育講座大人CAP
「魔法の言葉がけ」講座報告

              PTA成人教育委員会

日時:令和3年6月7日(月)10時~12時(ZOOM)
講師:NPO法人 エンパワメントかながわ 浜谷 典子 様、原澤 千明 様
内容:大人CAP「魔法の言葉がけ」 当日資料
〇子どもとの関わりのヒントを考える
〇エンパワメントって何だろう
〇子どものチカラを信じる
参加者:約30名

講演内容は以下の通りです。
◆コロナ禍で、今、大人として心配な事(事前質問)
Q:子どもが長引くコロナへの不安を口にします。それに対して共感し大丈夫と言い続けるだけでよいのかどうか。
A:口(言葉)にできることがすごい。共感して大丈夫。共感し続けてよい。私たち大人が信じて続けることが大切。

Q:子どもが、コロナのニュースなども見て不安から食欲もなくなったことがあった。
A:ニュースは同じ内容を何回も繰り返す。その内容を避けるために、テレビをつける時間をある程度限っていくのも必要。

Q:マスクで顔が見えず、友達がなかなかできない。手が繋げない。
A:6月は少しずつ慣れていく時期。親が考えているように子どもも考えている。今友達を作るのか、様子を見るのか。慎重なタイプかもしれない。

Qいつになったらおばあちゃんに会いに行ける?外食や旅行に行けるの?どう共感できるか。
A:同じ想像をしてあげる。ドラえもんに出てくるような道具(どこでもドア、タイムカプセル)などを例に挙げて「そうなったいいね。」と共感する。

Q:在宅ワーク定着の中で、子どもたちとの接し方で留意すること、子ども目線で見た在宅ワークをする親について。
Q:在宅ワークになり、下校時に「お帰り」と言える環境はよかった。他方で働く親のオンオフの切り替えと、子どもが親と接したいタイミングは必ずしも一致せず、難しい。どんな工夫をしているか?
Q:コロナ禍での環境変化によりストレスを抱えがちで、家の中で外でのストレスを親にぶつけてくる。
A:みなさんのアイディア~ストレスをどうやって解消しているか チャットで共有
▶動く・・・ぶつける・深呼吸・ジャンプ・癒しの動画を見る・エアなわとび・長時間の半身浴・お菓子を食べる・水を飲む・会議の合間に散歩・ダンス・ランチにおいしいものを食べる・出社前のウォーキング
▶ふわふわしたものをさわる
▶香り 子どもたちも好き

 

私たちが感じるイライラはどこから来ているか。
脳で感じるもの 扁桃体⇔海馬⇔全頭前野
魔法の言葉は、気持ちをどれだけ大切にしていくか。

 

◆自分の子どもを観察してみよう~ひとりとして同じ子はいない~
何が違うのか
友達が多い、少ない
何でも話す、話さない(学校で何が起こっているのかわからないことがある)
いつも動いている、静か
すぐに泣く、すぐに怒る、すぐに笑う
集中力がない、ある
人の言葉、感情に敏感、気にしない
規則正しい、不規則
何が違うのか 気質の特徴(その子が生まれもっている、変えることができないもの、3~4歳の幼児の時期に端的に表れる)
気質にはいいとか悪いとかではない、そのシーンによって違う

 

◆エンパワメントのかかわり方~魔法のことば~
エンパワメントとは、内なる力を発揮できるような関わり CAPにつながる

 

◆もしも自分の子どもがいじめられていたら?
みなさんのアイディア チャットで共有
<親として何ができる?>
子どもに話を聴く・受け止める・先生やしかるべき機関に相談・さりげなく学校のはなしを聴く・話してくれてありがとうと言う・まずは寄り添って子どもがどうしたいかきいて先生に相談する・一緒に話しを聞きながら話を聴く・安心できる居場所・受け止める
→川崎市には子どもの権利条例、相談できる機関がある。(川崎市人権オンブズパーソン)

<どんな気持ちになる?>
苦しい・腹が立つ・悲しい思いをしていると思い苦しくなる

いつも子どもを見守っていくことはできない。
子ども自身が自分の心と体を守ることができるようになることが必要。
★子どもに「権利」を伝える「安心」「自身」「自由」
★子どもに「NO」「GO」「TELL」を伝える
嫌だといえなくても、逃げられなくてもあなたは悪くない。
★「相談する」ことが大切➡CAPにつながっていく

<CAPプログラムの形態と種類の説明>
・おとなワークショップ
・子どもワークショップ

<CAP 小学生向けワークショップより>
〇暴力って?なんだろう

みなさんのアイディア チャットで共有
<暴力を受けたときの気持ち>
怖い・痛い・悲しい・つらい・ムカつく・死にたい・やり返したい・何で・胸が苦しくなる・自分が悪い・何でこんなことするんだろう・助けて
怒りの仮面 1次感情
恐れ・不安・自信のなさ・悲しさ・寂しさ・悔しさ・絶望 傷つき体験
2次感情
怒り
暴力に対抗する力=人権意識(自尊感情)
権利について考える。それがないと生きていけないもの、誰もがもっている基本的人権
安心、自信、自由はとても大事な心の力となる

<いじめ>
ロールプレイ(動画視聴)
〇友達2人が出会い、「一緒に帰ろう、私のカバンを持たせてあげる。今日から毎日ね。」
しずかさん(被害者)の気持ちを考える。安心していない。自信がない。自由に選べていない。権利を全部取り上げてしまった場面。
なぜよくないか。→友達の権利を取り上げて、自分の自信や強さにしていったから。
もし仕返ししたら、相手の権利を取り上げてしまうことになる。
権利が戻ってくるようにするために、自分の権利を守る大事なことばがある。
「いやだ。」
親や友達、先生などに相談する。大人の人を何人か選んでおく。
逃げてもよい。
〇友達にそばにいてもらい、断る場面
安心、自信、自由 権利を守っていることを確認

<知らない人からの誘拐>
ロールプレイ(動画視聴)
下校途中、知らない人がやってきてだまそうとする。「おうちの人が事故にあって、病院に連れていかれた。おうちの人に病院に連れてきてって頼まれた。」と言われる場面。
〇安心、自信、自由、があったかの確認
「おうちの人が大丈夫かどうかどうやって確認するか」交番、電話して確認、隣の家の人に聞く、安心していけそうなお店、学校に戻る
知らない人についていかない。家を教えない。名前を教えない。逃げることができるように、大人の人の腕2本ともうちょっと離れるようにする。捕まったら、足の下の方を蹴る。踏む。特別な叫び声を出す。大人に相談する。

一番強調しているのが、何か困ったことがあったら「話す」。

 

◆暴力をふるう子ども対応(暴力は後天的、生まれつきではない)
暴力行為は許さないが、子どもの人格否定はしない
暴力行為は子どものSOS
時間がかかっても、じっくり話を聴いていく
気持ちを聴く(海馬がいろんな気持ちで溢れている)
代替え行動を考える(暴力ではない行動)
話せるおとなを一緒に考え、お願いする

 

◆暴力被害を受けた子どもへの対応
① 共感して聴く
② クライシス(緊急カウンセリング)
<3つの言葉がけ>
「よく話してくれたね、話してくれてありがとう」
「あなたの話を信じるよ」
「あなたは悪くない」
※子どもを暗に責めるような質問はしない。
(例)「いやだって言わなかったの?」
※「なぜ?」「どうして?」で始まる質問はできるだけ避ける。
(例)「どうしてそこへ行ったの?」
③ 暴力を受けているときの子どもの心理を知っておく。
・自分からは言おうとしない。(特に身近で自分を思ってくれているおとなに)。
・話の事実関係が矛盾していることがよくある。
・しばしば加害者を守ろうとする。
・自分が悪かったと思っている。
・自分は無力で状況を変えることはできないと思い込んでいる、など。
・発達段階、気質によって、時間が経ってから話すことがある。
④ 今後の行動選択肢を子どもと一緒に考える。
・暴力を止めることは可能だ、二度と同じことをされる必要はないことを知らせる。
・もし、同じようなことがまた起きた時にはどうしたらよいか、あなた(その子どもなら)何ができるか一緒に考え、練習する。
話を聴いたおとなが、他のおとな(学校、警察等)の力を借りる場合は、必ず子どもに寄り添って。
・子どもの了承を得る。
・地域や学校や家庭の大人として何ができるかを考える。

クライシス(緊急カウンセリング)体験 ブレイクアウトセッション
しずかさん、しずかさんの親、聞き役に分かれて体験

 

◆自分をほめよう
いい親にはなりたいけど、完璧な親なんていない。
相談を受ける側は、自分の心理的・肉体的健康が必要になってくる
自分自身が褒められないと、相手を認められないこともある

「私の自慢」チャットで共有
最近、こんな事をしたら良かったこと
これをしたら楽しかったこと 自慢話etc

自分のことを大切に 人と比べない
「それがあなた」とまるごと受け止めることで 子どもは元気を取り戻す

 

講座内容は以上です。

講座後のアンケートについて回答頂いた皆様ありがとうございました。大変貴重なご意見、ご感想を頂きましたので、ご紹介させていただきます。

【講座の感想】
・自分を褒められない親は子供も褒められない。まさにそう思いました。
まずは自分を褒めることから、そして子供もいっぱい褒めてあげたいです。

・劇の動画も非常に分かりやすく勉強になりました。叫ぶ時は「甲高い声での助けて」
ではなく、「低い声で相手を威圧するウォー!」が目から鱗でした。

・基本的人権の尊重と昔から言われていますが、具体的にどういったことを言っているのか改めて学ぶことが出来ましたし、家族でも沢山話ができると思いました。

・勉強になりました。貴重なお話をありがとうございました。

・魔法の声かけ、大変素敵なテーマでわかりやすかったです。

・楽しくて充実した時間でした。ありがとうございました。

・積極的に参加できず申し訳なかったです。時間も限られているし、個別セッション等
ではなく専門家の方の話をもっと多く聞きたいと思いました。

・子どもが、話したくなるような、自分なのか、また、環境なのか、改めて考えさせられました。話してくれてありがとう。と言う気持ちは、私の中にはいつもあまりなかったので、反省したいです。ありがとうございました。

・平日の昼間は参加が難しい。良いテーマである分、広く保護者が参加できたら良いと感じた。Zoomでもブレイクアウトルーム参加が必須の場合、敷居が高いのではないかと思う。

また、講座中は、講師の方からの問いかけに対してチャット欄への書き込み方式により積極的に発言もくださりありがとうございました。

成人教育委員会では、今後もより多くの方に参加していただける講座を検討してまいります。

成人教育委員会 一同

PTA成人教育委員会