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2020年度第2回家庭教育講座

令和2年度 第2回家庭教育講座

「思春期・反抗期の乗り越え方」

講演会  報告書

 

PTA成人教育委員会主催の第2回家庭教育講座を開催しました。

第2回講座は事前に上丸子小学校内で撮影し、2020年11月27日~12月11日までYou Tube限定公開としました。

今回は子育ての専門家として、一般財団法人子育てマイスター協会設立者であり教育評論家である石川幸夫先生をお招きし、思春期・反抗期を乗り越える為の親の心構え、子供との向き合い方について様々な観点からお話しをしていただきました。

研究結果などの専門的なお話だけではなく、塾講師として現役でご活躍されている実際の教育現場から感じる現代の親子関係や子供の変化などの事例を踏まえ、お話しをしていただきました。

YouTubeの視聴再生について、視聴ユーザー数は108名でした。

講演内容は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

最初に【命の尊厳から子供の大切さを改めて考える】お話しをしていただきました。

1人が生まれる生命誕生の確立は2,000,000×2,000,000,000,000分の一、正に4,000,000,000,000,000,000の中から選ばれた命であること、一人が生まれるまでに多くの命のリレーがあったことなど、子供の誕生の貴重さを改めて学び、命の尊厳から考え直すことで大切な子供にどう接していくか、どう接していくべきかを考える機会となりました。

脳の発達という専門的な観点からは、小学生の時期はまだ脳の発達段階として重要な時期であることや脳に与える刺激がどう影響するのかをご紹介いただきました。

最近ある子供から「お母さんが僕の顔を見ない、スマホばかり見ているから」という相談をされたそうです。子供は親に話を聞いてほしいと思っているし、スキンシップを取りたいと思っており、それは思春期でも変わらないとのことでした。皮膚は第二の脳ともいわれスキンシップは子供の心の安定につながることから、抱きしめることはにおい、ぬくもりを感じて心の安定につながり、においやぬくもりを感じるのに7,8秒かかるため「7秒のハグ」を実践してほしいとのことでした。思春期は照れが出てくることがあっても触れて欲しい思いは変わらないため、抱きしめることが難しくても触れることでもよく、朝、子供が出かける際に後ろ姿の背中をなでる、でもよいので触れる時間を作ることが大事であるという具体的な実践内容も教えていただきました。

スキンシップには実際の触れ合いだけではなく、日々の会話もスキンシップになるが、子供と毎日どれくらい話ができているか、会話というより「~しなさい」といった指示、命令が多くなっていないか、という問いかけがありました。指示、命令が多くなると子供が指示待ちの人間になってしまい、自ら考える力がなくなり、自分で決断や選択することができなくなってしまうため、子供には自ら考えることを促す声かけが必要であるというお話がありました。

指示命令の言葉の他に子供が耳を塞ぎたくなるような罵倒される言葉によって、脳の一部が変形や委縮をし、人の言葉を聞かないようになり、能力を低下させていくことをご説明いただき、発達段階の子供への接し方や話し方が非常に重要であることを学びました。

言葉を獲得した3歳くらいから記憶が残るのは、心は言葉で作られており、言葉に置き換わる記憶ができていくためであり、親から伝える言葉が非常に重要であることをご説明いただきました。語彙数は、読むこと、書くことで伸びていくとのことで、本を読んであげること、話すことでも語彙力が伸びるということも教えていただきました。

話を聞いてもらった経験をもつ子供は人の話を聞けるようになる、とのことで、実際に教育現場で子供の話をじっくり聞くとその子供は話を聞くようになり、自分のことを話すようにもなるとのことで、子供に接する際の重要な心掛けを教えていただきました。

子供には常に自分で考える習慣をつけることが重要で、親から指示命令されてきた子供は思春期になって指示されたことは自分の考えではないことに気付き、自分は何なのかと悩み、問い返し、その先を見出せない状態になったり反発が起こるようになるため、常に子供には自分で考えさせることが重要であり、「あなたはどう思うの?」「あなたはどう考えるの?」との問いかけや子供に常に選択させることが重要であることをお話しいただきました。

今回の講演内容からは、大人になりかけている思春期の子供は自分の思いを言葉で表現できないでいるために、まずは語彙数を備えておくことが大事で、子供が自分で考える力を育んでおくことが重要であること、また、親はその複雑な状況を読み取り共感することが大事であることを教えていただきました。さらに、子供との向き合い方についても具体的に実践できる内容や親の姿勢を学ぶことができ、大変参考になる内容でした。

 

最後に事前に皆様からいただいた質問への回答もしていただきました。

 

Q:頑固でこだわりが強い反面、自己肯定感がとても低いので、物事を教える時にどう言うべきかとても悩みます。どう接したら良いのでしょうか。(5年生 男児)

A:頑固でこだわりが強いことを親がどう捉えるかで子供が変わってしまう。頑固でこだわりが強い、ということは物事をしっかり理解し、自分の考えがある、ということで良いことであり伸びる可能性がある。自己肯定感が低いということを何で判断したか、が重要である。自信過剰なことが自己肯定感ではないので、まだ5年生だったら自己肯定感を育むことが重要である。教える、という考え方ではなく、子供に考える機会を与える、決めさせる、見守るということが重要である。

 

Q:反抗期のサインは何ですか。(4年生 男児)

A:サインは、一人になりたがる、言葉が変化する、秘密を作り始めること。自我が強くなるため、自分のことを優先して考える態度をとるようになる。朝起きない、食事についてクレームを言うなど、自己主張をし始める。自立に向けての登竜門である。

 

Q:反抗期の女の子への接し方、父親に対して少しずつ距離や接し方が変わってきた際に親はどういう姿勢で向き合えばよいか。(2年生・5年生 女児)

A:父親は一番身近な異性であるため、同性の母親が父親のことをどう子供に話しているかが子供の異性への指針にもなってくる。母親が父親をどう捉えているか、逆に父親が母親をどう捉えているかを話してあげることが大事である。ご夫婦お互いがリスペクトしていることを見せる良い機会である。子供たちは親たちの態度をよく見ている。

 

講演内容は以上です。

 

講演に対する事後アンケートについて回答頂いた皆様ありがとうございました。大変貴重なご意見、ご感想を頂きましたので一部ご紹介させていただきます。

「講座を視聴したことで、子供に対する姿勢を改めて考え直すきっかけになった」

「思春期をむかえる子供との向き合い方について、とても勉強になった」

「具体的な事例が多く、わかりやすかった。思春期・反抗期も穏やかに接していこうという冷静な気持ちになった」

 

また、今回は新しい試みとなりましたYouTubeによる視聴についても下記ご意見をいただきました。

「都合の良い時間に視聴できるので、参加しやすかった」

「空いた時間に見れるので、時間を有効に使えるのが嬉しい」

「今までは平日昼間に出向くことができずに残念だったが、初めて参加することができた」

などのご意見をいただきました。

 

本年度の家庭教育講座の開催は今回で終了となります。

ご視聴頂きまして、ありがとうございました。

 

成人教育委員 一同